「新生」の特集「デジタル社会とどうつきあうか」に登場しました

2005年8月
 
 

 社団法人倫理研究所が発行する月刊誌「新生」10月号に登場しました。記事は、特集「デジタル社会とどうつきあうか」。

 加速するデジタル化の流れに不安を覚えている人たちに向けて、デジタルとは何か、身構えずに上手に利用する方法、便利さの裏側にある危険などを、さまざまな人がコメントしたものです。

 私の担当した記事は「デジタルなんて、こわくない」。シニア世代はデジタル機器を使えない人が多いというイメージがありますが、実際はどうなのでしょう。デジタル社会のよい面、注意すべき点などをお話しました。

デジタルなんか、こわくない(タイトル)

(リード)
シニア(高齢者)世代はデジタル機器を使えない人が多いというイメージがあります
が、実際はどうなのでしょうか。シニアライフアドバイザーとして多方面で活躍する
松本すみ子さんに、デジタル社会のよい面、注意すべき点、アドバイスなどをうかが
いました。

デジタルなんて、こわくない

●暮らしの中のデジタル

 デジタルというと何か難しいイメージがありますが、「あなたも普段使っていますよ」と私は言っています。元々、特に男性は機械好き・工作好きの人が多いですね。昔ラジコンなどをやっていたりと、機械には結構触れています。子供たちはゲームそのものを楽しみますが、シニア世代の人はゲーム機の中のしくみまで知っていたり。

 それに、デジタル機器といえば、まず携帯電話やデジカメ、パソコンなどが思い浮かびますが、広い意味でとらえると、大部分の家電がいまはデジタルですし。

 だから日常社会では、みんな知らない間にデジタル機器を使っているんです。しかも最近では、ビタミンを増やす冷蔵庫とか、水で調理できる電子レンジなども登場しています。

●人とつながる。世界が広がる――インターネット

 定年退職をすると、それまでの会社仲間とのつながりが切れますから、「つながっていたい」という気持ちが出てきますよね。

 さらに高齢者ともなると、あまり遠くに出かけられない。しかしインターネットを使うことによって、知らなかった世界を知ることができ、知らない人と知り合いになることもできます。

 昔なら、たとえば、岡山県の田舎のほうにある和菓子屋さんのお菓子を買いたくても、そこに行かない限り、買えませんよね。でも、「美味しそう」と思ってインターネットで見かけたお菓子を注文し、届けられたお菓子を見てはじめてそれが岡山県のお店からだとわかった、ということがいまはよくあるのです。 

 お友だちを作ったり、公のものを通さなくても、多くの人に向けて自分の意見を発信できる、つまり自
分自身を表現できるのがインターネットなのです。
 
 ただ、危険な面もあります。

 メールのアドレスを広く公開すると、迷惑メールなど、そこへ誰でも送信できてしまいます。インターネット上では不特定多数の人たちが入ってこられますから。

 そこで、IDとパスワードを設け、そのページの主催者が推薦した人だけが参加できるようにするソーシャル・ネットワーキング・サービスというものが出てきました。お互い知っている人同士で、名前も公開して意見を交わす。安心してコミュニケーションができるような、きちんとしたしくみを作っておく必要があるのです。

 人と人を繋ぐコミュニケーションの道具ですから。どのようにしたら安全にコミュニケーションできるかというのも、デジタル社会の重要な部分でもあるのです。

●「デジタル絵手紙」

 私が名づけた「デジタル絵手紙」というものが好評でした。携帯電話のカメラで撮って本文を添え、相手に送信するんです。 「桜がきれいでした。○○にて  松本」、「ウチの桜もこんなにきれいよ」といったやりとりです。

 私の周囲で、カメラ付き携帯電話をもっているにもかかわらず、わからないからカメラ機能は一切使っていなかった人がいました。「デジタル絵手紙」のやりとりの様子を見て、「やっぱり教えてよ」って私のところに教わりに来ましたね。身近な人たちが使って楽しんでいると、自分も使えるようになりたいと思うものです。

 また、わたくしどもの「おとなの暮らしと仕事研究所」では、シニア世代の人たちのために、ゲーム機のインストラクター養成をしています。シニア世代にはシニア世代の人が教えるといいと思うので、インストラクターも、シニア世代です。

 質問する側も質問しやすいし、教える側も、その穂とがわからない点がどこかを、汲み取りやすいのではないですか。

●お互いの顔を見ながら

 カウンセリングの世界も、さらにデジタル化しています。

 これまでは、面談、電話、メールという手段でしたが、最近はカメラ付きパソコンを使って、離れていても相手の顔を見ながらのカウンセリングが可能なのです。さらにそれが携帯電話でもできるようになってきています。

 医療の世界も同様です。

 お医者さんが、自宅にいる患者さんの顔色や表情を毎日見て、「今日はお元気そうですね」、「今日はこういうことに注意してください」などと、言葉をかけます。患者さんも安心できるんじゃないですか。 
 今まで、インターネットや携帯電話は、主にビジネスの場で使う道具でしたが、これからは、医療や福祉、サービスにも使われていくべきです。

●どう使いたいのか

 携帯電話などは、まだまだ発展途上の機械だと思うんです。だから機能がたくさんあっても、「私はこれとこれの機能を使う」というように、それをどう使いたいのかを、使う側もきちんと声に出していくべきです。

 使い方が難しければ、「使いたいのに使えないじゃないか。こういうものなら使えるのに」と消費者の立場で主張したらよいんです。

 そもそも「デジタル機器は、年寄りには使えないだろう」と思われていること自体、おかしいですよね。むしろ、ハンディキャップを持った人をサポートする最適な道具のはずなんですから。

 

 
 
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