『日経人事・研修ニュースダイジェスト』に「セカンドキャリア教育の視点(前編)」

2005年9月14日
 
 

人事担当者向けメールマガジン『日経人事・研修ニュースダイジェスト』のコラムに、シニア世代の活用法に関するインタビュー記事が掲載されました。

この記事は前半です。後半はこちら

 「頼りにされる研修担当者」への道 〜セカンドキャリア教育の視点(前編)〜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】インタビューコラム 「頼りにされる研修担当者」への道
 第23回:「セカンドキャリア教育の視点」(前編)
 ゲスト:(有)アリア 代表取締役 松本すみ子さん
 聞き手:瀬戸友子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

―みなさん、こんにちは。HRDライターの瀬戸友子です。さて今回はシニア活
用について、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
 間近に迫った「2007年問題」を皮切りに、企業のなかでも少子高齢化への
対応が大きな課題になっています。そこで、「おとなの暮らしと仕事研究所」
というNPOの代表理事も務めるシニアライフアドバイザーの松本すみ子さんを
ゲストにお迎えしました。

 「個人の経験は企業の財産」という松本さん。セカンドキャリア教育からシ
ニア人材の活用まで、現状の課題をズバリと斬りながら、目指すべき方向性に
ついて、終始明るい笑顔で語ってくださいました。

―改正高年齢者雇用安定法が施行され、来年4月からは、希望すれば基本的に
定年後も企業で働き続けることができるようになりました。定年延長や再雇用
の制度を導入する企業も出てきましたが、フタを開けてみると、必ずしも希望
者ばかりではないようですね。特に団塊世代の方々は、みんなもっと働きたい
のかと思っていたので、少し意外でした。

【松】 それにはやはり理由があるんですよ。6、7年くらい前、多くの企業
でリストラをやりましたよね。終身雇用、年功序列でやってきたところに、団
塊世代が50代になった途端に、いきなりはしごを外された。あるいは、外され
た人をたくさん見てきた。そこで多くの人が、「会社に依存していてはだめな
んだな」と気づいたと思うんですよ。
 みなさん決して働きたくないわけじゃないんです。でも、再雇用されてもど
うせ数年で放り出されるなら、早めに自分の道を決めて、ずっと働けるほうが
いいんじゃないか、と。それに体力も落ちるのだから、60歳過ぎてまで、あの
不愉快な満員電車に朝晩もまれるのは、もういいと思いません(笑)?

―たしかに(笑)。

【松】 厳しいとはいえ、退職金だって年金だってそこそこもらえるわけだし、
働くにしても、今度は自分の気に入った働き方をすればいい。自営なり、派遣
なり、定年後はすごく多彩な働き方ができるんですよ。
 それなのに、あの厳しいリストラをした会社に、定年後も自分の身を全面的
にあずけようという気持ちになれない人が出てくるのも、当たり前ですよね。

―実際、給与の高い中高年がリストラのターゲットになるケースも少なくあり
ませんでした。

【松】 企業が生き残るためには、リストラも必要だったかもしれません。た
だ、そこで大切なのは、その人を失ったことで、その人の持つスキルと経験も
失ったんだという意識を持つことです。
 実力主義が浸透するなかで、その運用における一番の間違いは、過去の経験
なんて邪魔だと言い出したことでしょう。これはとんでもないことで、経験こ
そ会社の、社会の宝ですよ。
 たとえば高校野球だって、強い学校はずっと強いでしょう? 先輩たちが強
ければ、やはり後輩たちもそのレベルに近づこうと努力し、競い合いながら、
いつか先輩を追い越していく。企業も同じで、技術も、能力も、人の思いも、
そうやって引き継いがれていくわけですよね。

―いま、特に製造業などでは、技術伝承が大きな問題になっています。

【松】 中高年の優秀な技術者が、日本に活躍の場がないから、アジア諸国へ
出ていった時期がありました。いま日本は中国や韓国に追い上げられているけ
れど、このまま日本の技術を国内ではなく、海外に流れていった結果、いつの
間にか他国に負けていた、ということも十分あり得ますよね。

―すごくもったいないですよね。

【松】 テクニカルな技術だけじゃないんですよ。人事などもそうですが、ベ
ンチャーや中小企業ではそうした経験を求めてますから、退職者でも活躍の場
がけっこうあるんですね。自分の会社にいた人事部長がよその会社で教えてい
るなら……

―だったら、自分たちが教えてもらえばいいじゃない、と。

【松】 そう、そう(笑)。定年が近づくと、部下もつかずに、「一人でやって
ください」という会社もありますけど、外されたという思いは消えないから、
不満が残ってしまう。役職なんて後輩に渡してしまってもいいと私は思うけど、
ただ、研修担当者には、彼らのスキルを橋渡しできるようなプログラムをぜひ
作ってほしいですね。たとえば社内研修の講師として、経験やノウハウを後輩
に伝えてもらうとか。
 実体験に基づいた話は後輩が聞いてもおもしろいし、自分が話すことで役に
立っていると思えば、本人のモチベーションも上がる。退職するときも、「会
社人生の最後はつまらなかったな」ではなくて、「良い会社にいたな」と思え
るはずですよ。

―なるほど。では次回は、プログラムの内容についてアイデアをいただきたい
と思います。とりあえず、ありがとうございました。

 

 
 
 
最新ニュース一覧に戻る  
 

copylight 2004 arias All rights reserved.