『日経人事・研修ニュースダイジェスト』に「セカンドキャリア教育の視点(後編)」

2005年9月28日
 
 

人事担当者向けメールマガジン『日経人事・研修ニュースダイジェスト』のコラムに、シニア世代の活用法に関するインタビュー記事が掲載されました。

今回は、その後半です。前半の記事は、こちらで。

 「頼りにされる研修担当者」への道 〜セカンドキャリア教育の視点(後編)〜

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【3】インタビューコラム 「頼りにされる研修担当者」への道
 第24回:「セカンドキャリア教育の視点」(後編)
 ゲスト:(有)アリア 代表取締役 松本すみ子氏
 聞き手:瀬戸友子
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―みなさん、こんにちは。HRDライターの瀬戸友子です。前回は、シニア人材
の経験を伝承するプログラムの必要性についてうかがいました。後編では、そ
の内容をさらに突っ込んで考えていきます。では、さっそくいきましょう。

―経験の伝承はたしかに重要だと思いますが、先輩たちの自慢話や時代にそぐ
わない考え方を押し付けられても、正直なところ、ちょっと困ってしまいます。

【松】 まさにそこは研修担当者主導で、しっかりとしたプログラムを作るべ
きですよね。たとえば55歳くらいになったら、まずは自分の職業人生を振り返
って、これまでの仕事、これまでの人生の棚おろしをしてもらう。自分は何を
やってきて、そこで何を培ってきたのか。そのスキルは会社の外でも通用する
ものなのか、あるいは自分に足りなかったものは何だったのか。

 そのなかで、若い人たちに伝えてくべきものを分析・整理して、どんな教材
を作り、どう教えていくかまで、落とし込んでいくわけです。そうして年に数
回でも、講師として話をしてもらう機会を作っていけばいい。

―まずは自分自身を振り返る。若い人への技術伝承だけでなく、その過程が、
本人に対してのセカンドキャリア教育になるともいえますね。

【松】 実は定年というのは、とても大切な人生の区切りのひとつなんです。
会社中心の生活が終わるとなって初めて、家族や友達、地域との関係を改めて
考える。そういうことを真剣に悩んで、一生懸命考えた人のほうが、その後の
人生もずっと豊かになると思いませんか。

―若い世代はともかく、シニア世代にキャリの棚おろしさせるという発想はな
かったですよね。でも将来について考えることは、シニア世代にも必要。

【松】 ただし、考えなくてはいけないとわかっていても、仕事を口実に先延
ばしにしてしまう人も多い。自分でやれといってもなかなかできないので、最
初はある程度強制力を持たせて、仕事の場から切り離した研修の場で考えさせ
るほうがいいかもしれませんね。

―とにかく、単に定年延長や再雇用の制度を入れればいいというものではない。

【松】 退職者側は、これからどんな道を選ぼうかといろいろと考えているの
に、仕組みを提供する企業側が「毎日会社に来てね」という発想しかないのは
おかしい。

 専門職として契約を結んだり、自営希望者には当初資本金の半分くらい援助
してあげるのもいいですよね。ただ、そこで大切なのは、その事業が儲かるか
どうかだけではなくて、この人は社会貢献的な働き方ができるのかという観点
を持つこと。退職後は、会社のためではなく、自分の人生のために働くのだと
いうことを忘れないでほしいですね。

―でも、お金がかかりませんか?

【松】 それほど大きな投資は必要ないし、事業がうまくいけば回収できるわ
けだし。今、CRSといって、企業の社会的責任や貢献を問う傾向にありますが、
このような支援はまさにCRSの一環として考えることができると思います。

それに、これは強調したいんですけど、まんべんなく全員に同じものを提供す
る必要はないんですよ。嘱託制度やOB会で、有名無実になっているものも少な
くない。それよりも、やる気と能力があって、発想も豊かな人をサポートして
あげたほうがずっといいでしょう。

 これからは、シニア世代を悪平等で甘やかしてはいけません(笑)。定年は自
分の人生を考える大切な区切りなんですから、そこで甘やかして、考えない人
間を作ってはいけないんです。

―厳しい! でも本当にそうですね。そうしてシニア世代が幅広く活躍してい
けば、後に続く若い人たちも将来への希望が広がる……。

【松】 みんな仕事は楽しいんですよ。甘い世界じゃないんだ、男はつらいん
だと口では言うけれど、実際に苦労もたくさんあったかもしれないけど、やっ
ぱり働くことが楽しいの(笑)。

 だったら、きちんと若い人たちにも「仕事は楽しいんだよ」と話してあげる
べきだと思うんです。スキルやノウハウだけじゃなく、そういう気持ちの部分
も、伝えていかないと。

―うーん、奥が深いですね。少子高齢化は今後も続くわけですし、シニア人材
の活用はいろいろな意味で重要なテーマになりますね。

【松】 これから確実に人口が減って人手不足になるんですから、会社が優秀
なシニアに「もう少しいてください」と言っても、そっぽを向かれる可能性も
あると思いますよ。

―それは笑えない話です。そうならないためにも、最後に、セカンドキャリア
教育に関するアドバイスをお願いします。

【松】 とにかく提供する側の都合ではなく、受ける側の立場で考えることで
すよね。一人一人の気持ち、一人一人の人生を大切にするということを忘れて
はいけないと思います。

 あとは、やはりお金の問題はとても関心が高いので、401Kも含めて年金や
退職金などの情報も、教育プログラムのなかに入れていくべきだと思いますね。

―決して甘やかさず、でも一人一人の人生を尊重する。あくまでも人を活かす
という発想が大切なんですね。今日はどうもありがとうございました。

 

 
 
 
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