コラム『松本すみこのシニアライフ』 No.2

  「華麗なる人々」と「働く年金世代」

2015年7月13日

 
 

  『日経MJ』7月12日号に「70代以上女子 キラキラ消費」という記事がありました。「加齢?いいえ、華麗です」という副題がついています。記事によれば、70代以上の女性は人口の1割を占め、男性の1.4倍の140万人以上。消費意欲が旺盛で、美容サービスの利用や交際費は20代女性のほぼ2倍だそうです。

 確かに、私の周りの70代の女性たちは皆、元気で活動的です。ゴルフにスポーツクラブ、カルチャースクール、旅行やまち歩きを楽しんでいます。さらに、外国人に日本語を教えたり、高齢者のためのサロンを開いたりという社会貢献活動にも積極的。本当にすごい。

 そこで、私が気になるのは、その後の団塊世代あたりの女性たちです。その数は300〜350万人。この人たちが70代になった時(まもなくですが)、同じような状況は見られるのでしょうか。

 団塊の世代は、いつの時代も多くのことで過渡期を経験してきました。同年代の夫たちには50歳になった頃に、リストラの嵐が吹きました。その影響を受けた家族も少なくありません。定年を迎えようかという時には、年金が段階的支給となり、満額給付は65歳からとなりました。前の世代が60歳ですぐにそれなりの年金を受給でき、リタイア生活にスムーズに入っていったのとは違います。

 そこで、「働く年金世代が増加」という現象が生まれます。現在、60代後半の男性の2人に1人、女性は3人に1人が年金を受け取りながら、働いているのです。もちろん、お金のためだけではないのですが、かなりの要因を占めることは疑いの余地がありません。前の世代とは生活資金の余裕度に違いがあるといえるでしょう。

 幸いにも団塊世代にはまだ働く気力と体力があります。特に、女性たちは、リタイア後に行き場を失って、さまよいがちな男たちとは違い、思い切りがよく、行動的です。現在の雇用情勢改善のけん引役は女性とシニアだそうですが、この両方を備えたのが団塊女性と思えばいいでしょう。今から起業を目論むほどの人もいるほどエネルギッシュです。

 では、稼いだお金はどう使うのでしょうか。ファッションにも音楽にも、旅にも敏感な青春時代を過ごした人たちだということを忘れてはいけません。やはり、自分のためにも大いに使うと思うのです。

 高齢者の介護や認知症が問題になっており、65歳以上の20%が認知症になる可能性があると言われています。しかし、この数字は悲観的過ぎるような気がします。働いて、活動して、いきいきと暮らしていれば、予防にもなります。働くシニア世代の増加は医療費の削減にも効果を発揮すること大です。

 シニア世代には働いてもらえばいいのです。もちろん、正社員ではなく、非正規で結構。人生を楽しみながら、自分の都合のいい時に、働きたいですから。人手不足の業界にも、大きな戦力となるでしょう(ブラック企業は願い下げですが)。

 自分で稼いだお金で、ファッションも食事も旅も楽しむシニア女性。それが次の世代の「華麗なる人々」の姿です。長寿の時代。シニア世代は決して社会のお荷物ではなく、日本を元気にする要素の一つにもなるということをもっと認識してほしいものです。

 
 
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