コラム『松本すみこのシニアライフ』 No12

 

「キャリアカウンセラーが国家資格に」で思うこと

2016年4月24日

 
 

定年を機に、あるいは定年後のことを考えて、資格取得に励む方もいるのではないでしょうか。私の周辺では、かなりの方々がキャリアコンサルタントの資格を取ったように記憶しています。

多くが民間資格だったキャリアコンサルタントですが、このほど、厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了し、学科試験や実技試験に合格した人は、国家資格保持者として認められることになりました。

→ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000104890.html

私が認定を受けた日本産業カウンセラー協会のキャリアコンサルタント養成講習もそのひとつ。そこで、私が資格を取った頃のことを思い出して、人は、どんな時にキャリアコンサルタントなどという曖昧模糊とした仕事に関心を持つのかを考えてみました。結局は、自分自身のためなのではないかと思うからです。

私もそうですが、そのころ、受講した仲間には、自分の仕事や会社での立場がうまくいっていないという思いを抱えている人が多かったように思います。

当時、日本の会社でもリストラという名の解雇が一般的になりつつありました。団塊を筆頭に、50代にさしかかった多くの世代が、リストラの対象にはならないまでも、会社での立場が面白くない状況になっていた時期です。

団塊の世代あたりは、うまく生き抜いてきたと思われているようですが、現実はそうでもありません。人数が多いゆえに、ポストにはつけず、仕事を若い世代にバトンタッチしなければならない。「下剋上」なんて言葉も言われました。当然、今までの地位や役割が不安定になり、プライドを傷つけられることに。ただ、多くの人は、その不満や不安を声にすることはありませんでした。男性は特に。それもプライドの故です。

自分の気持ちの持って行き場を求めていた時、知識や技能を駆使してサポートしていく専門職であるキャリアコンサルタントを知り、これだ!と思った人が少なからずいたのです。つまり、自分の悩みと照らし合わせて、自身の解決を求める意味でも、もっとも共感できる資格がキャリアコンサルタントだったということです。

そういうこともあってか、私が講座を受講したときは、それまでは圧倒的に女性が多かった受講者に、男性が飛躍的に増えていました。それだけ、心理的に苦しい状況に追い込まれた人が多かったということでしょう。

しかし、今になって残念だと思うことがあります。そうして取った資格を生かして、企業内で活動した人があまりいないことです。仕事や地位が回復するや、あっという間に、元の仕事人間に戻っていった人を知っています。勉強仲間のメールに返事すらくれなくなった人もいます。

あれは苦しい時の逃げ場だったのでしょうか。今後は、そういう人たちも手続きをすれば、国家資格保持者として認定されます。

そういう人には、ぜひ資格申請をして、今からでも生かしてほしいと思います。上から目線でなく、自分が苦しかったあの時を思い出して行う親身なコンサルティングなら、きっと後の世代の人のためにも役に立つはず。リタイア後の活躍の場をここに求めることも、自分にとって有意義なことだと思うのです。

 
 
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