コラム『松本すみこのシニアライフ』 No13

 

することがないから雇用延長でもしておくか

2016年5月8日

 
 

私がよく講座で使う資料に、厚生労働省が発表した日本人の生涯現役志向を表すグラフがあります。「あなたはいつまで働きたいと思いますか」という質問に、55歳以上の人が答えているのですが、注目したいのは、年を取れば取るほど生涯現役と答える人が増えていくということです。


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 75〜79歳では39.5%、80歳以上では半数に近い42.1%もの人が「働けるうちはいつまでも」の答えを選択しています。昔から日本人は働き者だと言われていますが、まさに、それを証明したようなデータではないでしょうか。

 では、なぜ、日本人はこれほどまでに働きたいのでしょうか。もちろん、第二の人生の生活を安定させるためにはお金が必要です。年金だけの暮らしはこころもとない。しかし、誤解を恐れずに言えば、「やることがないから」という理由も多くを占めているような気がするのです。

 あるシンポジウムでコーディネーターを務めた時、一人のパネリストがこんなことを発言しました。「家にいても何もすることないから雇用延長しておくか。こういう考えが一番よろしくない」。私も、まさに同感でした。

 雇用延長を否定するわけではありません。自分と家族の将来を考えた結果、それを選んだのなら、それは自分の選択としてりっぱです。

  しかし、何もすることがないからと、目の前の流れに乗ってしまうことは、自分の人生を放棄するようなものです。雇用延長されたとしても、早晩、正真正銘の退職がきます。単に先送りしただけにすぎません。しかも、先送りした分、確実に年をとっています。さらに人生の選択が難しくなるだけです。
することがないという状態から逃げずに、まずは、そういう状況にある自分をしっかりと見つめてみる。まずは、これが大事なのではないでしょうか。

  自分は何をしてきた人間なのか。何ができる人間なのか。何を好む人間なのか。そして、今後、どうすれば自分自身を満足させて生きることができるのか。

  こんなことを考える時間を作ることは、第二の人生の出発にあたって、かなり重要なことだと思います。

 
 
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