グレイヘアはブームになるか

 

コラム『松本すみこのシニアライフ』 No.31

2017年10月29日

 
 

いつのまにか、おしゃれ染めから白髪染めに

たまには、女性のおしゃれに関する話題もひとつ。

髪を染めるという行為を、白髪染めと意識したのは、いつ頃だったか。若いころの私の髪の毛は真っ黒で、まっすぐで、量が多く、光の加減では頭に天使の輪ができたものでした。

でも、黒髪は重たそうで、背の低い私は、ますます低く見えるような気がして、いやだったのです。それで、たいていは茶系の髪に染めていました。たぶん20代の半ばころからずっと。今考えると、なんて、もったいないことを、と思います。

だから、私には髪を染める=白髪染めという意識はありませんでした。それが今では、白髪が目立つようになると、ああ、美容院に行かなければと思うように。

多くの女性にとって、白髪は大きな問題です。美智子様が白髪染めをしないのは何か立場やしきたりがあるのか、ご立派とは思うけど、手当てをしたら、もっと若々しく素敵に見えるのにねえ、などと友人と話すことがあります。

「女性の白髪」「男性の白髪」へのイメージを聞いたアンケートでは、女性の白髪に年齢を感じるのが85.0%、男性の白髪には63.9%。確かに、男性の場合は、ロマンスグレーという言葉があるように、白髪交じりの頭髪はむしろ渋い大人のプラス要素として受け入れられています。う〜ん、女性に白髪は不利か。

もちろん、白髪は染めないという女性もいますが、完全な白髪ならともかく、いわゆるごま塩頭はやはり、あまり美しいとは思えません。余計なお世話だけど。だから、程度の差はあれ、大半の女性は染めていると思って間違いなし。

憧れは白髪美人

ところが最近、「これから、白髪女性の出現率がどんどん上がる」と書いてある記事を読みました。シニア女性向け雑誌の元編集長が言うには、「読者に一番人気のある女優」は草笛光子さん。理由は「白髪なのに、すごくきれい」だから。

白髪はきれいじゃない、老けてみえるという阻害要因だと感じている読者が、白髪でもきれいな草笛さんを見て、自分もああなりたいと感じているというのです。その証拠に、白髪染めをしている読者の75%の人が「いつか白髪染めをやめたい」と答えたとか

こうした動きを受けて、女性誌にグレイヘア特集が組まれるようになりました。『ハルメク』(もと『いきいき』)や『ときめき』(世界文化社)、『週刊女性』(主婦と生活社)などの記事には反響が大きかったそうです。そして、『パリマダム グレイヘアスタイル』(主婦の友社)という本も出ています。

しかし、私的には、この本には少し違和感を覚えます。どうしてパリマダム?いかにも女性誌らしい、おしゃれといえばパリやミラノ的な訴え方は、編集手法として認めるとして、そもそも外国人と日本人の髪には大きな違いがあります。

外国人には黒から栗毛、赤毛、ブロンドなど、様々な髪色の人がいます。白に近いブロンドの人なんかは初めから白髪のようなものかも。ほとんど黒や黒に近い栗色といっていい日本人のくっきりと白黒がわかるような髪とは、移行期間の見え方が違うのではないでしょうか。だから、外国人と比べてもなあと思うのです。

私もやめたいけど・・・

確かに、私も白髪染めはやめたいと思います。めんどうだし、お金もかかるし。かけた割にはすぐに白髪が目立つようになるし。ただ、問題はやはり移行期間です。真っ白な草笛さんにいきなりなれるわけでもないし、人によっては、ずっと白黒混じりのままの人もいるし。

今後、シニア女性に向けて美容院が取り組むべきは、日本人の髪にあった移行期間の提案と技術だと思います。少子高齢化に伴い、最近の美容院はどこもお客さんの多くはシニア世代が占めています。だから、白髪染めは重要なスキル。なのに、すべて同じように染めて隠してしまうことしかしません。移行期間の白髪をどう美しく見せるかという意識も勉強も追いついていないようです。

もっと大胆に、青や紫などを部分的に使ったり、なかなかグレイヘアにならない人は、逆にグレイヘアに染めるなんてこともあってもいいのです。カットとカラーしかやらない格安美容院も生まれている今、既存の美容院が存続していくためには、もっと女性の悩みと心理をくみ取り、新しい提案をする必要があることを知るべきでしょう。

さて、女性はそんなに白髪を気にしているのかと不思議に思ったかもしれない男性のあなた。では、頭髪の薄さの問題はいかがでしょう。男性にとっては、こちらのほうが大きなお悩みでしょうね。最近、増毛法や増毛薬のCMを盛んに見かけます。専門のお医者さんに相談しましょう、なんて提案もありますね。

女性も男性も、加齢に伴う頭髪の悩み(だけじゃやないけど)は尽きません。でも、まさか「禿がブームになるか」という発想はないでしょうね。あるわけないか・・・。

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